仙台文学館

ことばの
杜を
あるこう

2024.3.29(金)
窓をあければ何があるのであらう くもりガラスに夕やけが映つてゐる/尾形亀之助 恋愛後記

井上ひさしの国語教室 井上ひさし資料特集展vol.7

仙台文学館の初代館長を務めた、劇作家・小説家の井上ひさしは、まれに見る読書家・蔵書家でもありました。その蔵書量は、ある時期は13万冊にもおよび、のちに一つの図書館を建てることができるほどでした。「良い読み手ほど、良い書き手になる」という信念をもっていた井上は、本の集め方や読み方にも工夫を重ねていました。その工夫は、「とにかく面白いと思ったら赤鉛筆で、線を引く」で始まる〈本の読み方十箇条〉のような形にまとめられており、私たちにも大いに参考にできるところがあります。

また井上は、ユーモアある語り口で、日本語の面白さや奥深さを読者に伝えようとした作家でもありました。たとえば、「文法を楽しく」をモットーに書いた『私家版日本語文法』では、漫画『ゴルゴ13』を皮切りに擬声語と日本人の音感との関わりを分析し、『自家製文章読本』では、芥川龍之介からキャバレーの求人広告までを引用しつつ、日本語の表現の豊かさや柔軟性をとらえ直そうとしています。

本展では、「読むことと書くこと」「日本語」といったテーマについて、井上がどのように向き合い、発信しつづけたのかを、関連する直筆資料や蔵書を通して紹介します。

会期:2017年12月16日(土)~2018年4月8日(日)
場所:仙台文学館 企画展示室
休館日:月曜日(1月8日、2月12日は開館)、
第4木曜日、12月28日~1月4日、1月9日、2月13日
開館時間:午前9時から午後5時(入場は午後4時半まで)
観覧料:一般570円、高校生230円、小・中学生110円(各種割引あり)

 

展示関連イベント

◆展示室リーディング「どんぐりと山猫」◆

井上ひさしは、少年時代に宮沢賢治の「どんぐりと山猫」を読み、その新鮮な擬音語・擬態語に大きな感銘を受けました。このイベントでは、その名作をリーディングでお楽しみいただけます。

■日時:2018年1月27日(土)、2月4日(日)
いずれの日も、1回目 11:00~12:00 / 2回目 14:00~15:00
■会場:仙台文学館企画展示室
■定員:30名

【申込方法】
電話・FAXのいずれかで仙台文学館へ(FAXの場合は、イベント名・日時・名前・電話番号を明記してください)。定員になり次第受付終了します。
※いただいた個人情報は、上記イベントのご連絡以外には使用しません。

◆学芸員による展示解説◆

貴重な肉筆資料とともに、井上ひさし作品の魅力について、学芸員が解説します。

①1月20日(土)13:30~
②2月17日(土)13:30~
③3月11日(日)13:30~

申込み不要。直接会場へ。※当日の企画展観覧券が必要です。

※上記以外のイベントも予定しています。詳細が決まり次第、随時更新いたします。

◆ひざしの杜さんの特別メニュー◆

井上ひさしの国語 特製メニュー は会期期間限定メニューとなります。